時間は敵

 

時間は敵だ

ときが経てば傷は癒される

せっかくつけてもらった

傷なのに

 

これは、江國香織の詩。

人が大きな傷を負う場面って人生の中ではいくつかあったりする。

人の死、挫折、失望、失恋。色々とある。

概ね、悲しみや苦しみを感じるイベントには傷が伴う。

 

人の死に直面した場合、日本では傷を思い出すシステムが確立されている。

お墓参りをはじめとする故人の弔いや供養は、このシステムの典型だと思う。

 

胸を張って言えることではないものの、

私もいくつか(大きな)傷を負ってきた。

ときの経過に抗い、ときに傷と向き合うことにより、きっと得られるものもあるのかもしれない。

 

なお、思い出すことも難しいような傷については、時間は敵との表現でまとめることはできない。それはもはや傷ではない。傷は治療できる。