法律の部屋

家事事件の解決までにかかる時間

司法統計によると以下のとおり。 離婚調停ー平均6か月 離婚訴訟ー平均1年2か月 遺産分割事件(調停+審判)ー平均1年

陳述書の上塗り尋問はしない

元裁判官から、陳述書の上塗り尋問を回避するコツを教わった。 ■大事な事実のみに絞り、コンパクトに尋問する 尋問時間を長時間確保したりしない。簡にして要を得た尋問をする。 ■陳述書では「大切なことは期日でお話します」との記述にとどめる 陳述書にお…

身元保証書の意義

身元保証書を書いてもらう意義を社員に説明する際、どのように説明すればよいかと訊かれた。 考え得る回答はこうだ。 損害賠償請求権相当額の債権の回収可能性を高める 不祥事発生の抑止力とする これらにより、みんなが働いているこの会社を守る。 法務の仕…

公判前整理手続の実践知

証拠一覧表を用いて、任意開示及び類型証拠開示を活用する スケジューリングは弁護人ペースで行う ―――証拠意見書の提示は開示証拠の検討後 否認事件の予定主張はミニマムにする ―――手の内は明かさない

商法512条の主張を忘れない

商法第512条 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。 尊敬する大先輩から、控訴審でこの条項に基づき一部勝訴判決を得たとの連絡があった。 この条項は、会社の行為が有償であることを規定した一…

競売手続のフロー

保全申立事件の担保金(取戻しvs取消し)

保全申立事件の担保は、保全申立てが違法であった場合の損害賠償請求権の担保。 保全申立てが違法であった場合(すなわち、本案訴訟で敗訴が確定した場合)、担保金は戻ってこない可能性がある。 担保金の戻し方につき、言及する。 保全執行前は、担保の取戻し…

保全の必要性の一般論②仮処分事件

仮処分には、係争物仮処分と仮地位仮処分がある。 以下、それぞれの仮処分の保全の必要性につき、一般的な考え方を述べる。 ①係争物仮処分 係争物仮処分における保全の必要性は、仮差押えと比べて、抽象的なもので足りる。 仮地位仮処分の手続以外の手続によ…

保全の必要性の一般論①仮差押事件

保全事件は、保全の必要性の検討が肝になる。 申立書には、「●●なため、執行不能の蓋然性がある。」等の記載する。 ●●の箇所には、詐害行為や否認行為を行うおそれにつき、わかりやすく記載する。 以下のような事実を疎明することが多い。備忘のため記録。 …

起案で用いる反対仮説概念の整理